実行委員長 目黒よりご挨拶

【あきらめない地域へ向けて】

おかげさまで、只見線列車内プロレスも第3回目を迎えることとなりました。

振り返れば第1回目は台風が接近し大雨の中での開催でした。第2回目は夏を思わせるような雲一つない晴天での開催となり、また、第2回からは10月始めの「水の郷うまいもんまつり」に合わせた開催として、まつりも含めて楽しんでいただくイベントとしました。


福島県の会津若松駅から新潟県の小出駅までを結ぶ只見線は、2011年に発生した新潟・福島豪雨により大変大きな被害を受け、現在も一部区間は代行バスでの運行となっています。

復旧のためには大きな困難がありましたが、沿線の方たちをはじめ福島県や様々な人たちの応援により、2021年度の鉄道での全線復旧が決まり、復旧工事が始まっています。


私たち只見線県境プロレス実行委員会では、只見線の貸切列車内でプロレスをするというユニークなイベントを行っています。「只見線」と「プロレス」、全く関係ないように見えますが、実は共通点があるのではないでしょうか。キーワードは「あきらめない」です。


プロレスは「受けの美学」と表現されることがあります。基本的に対戦相手の技をよけたり逃げたりせず、技を受けきるのがプロレスの特徴の一つだからです。相手の全力の技を自分も全力で受け、全力で跳ね返す。倒れることがあっても再び立ち上がっていく。そこにプロレスラーの力強さ、怖さに負けない勇気が現れます。

もちろん、技を受ければ鍛えているプロレスラーといえども痛いしダメージを受けるでしょう。それでも決してあきらめず、倒れても倒れてもまたがんばって立ち上がる姿は私たちに勇気と感動を与えてくれます。


只見線も2011年の新潟・福島豪雨により鉄橋が流されるなどの非常に大きな被害を受けました。プロレスに例えれば必殺技をくらって3カウントを取られる寸前までいったような状況です。それでも多くの人たちが復旧をあきらめず応援をしたことを受けて、2021年度の全線復旧が決まり、復旧に向けて立ち上がろうとしています。


ですので、大規模災害で被災した只見線が多くの人の応援を受けて全線復旧に向けて立ち上がろうとしている現在の状況は、倒れても倒れてもまたあきらめず力強く立ち上がるプロレスラーと同じではないか、いわば「只見線はプロレスラーだ!」を基本的なコンセプトとして私たちは只見線での列車内プロレス事業を行っています。


このように、只見線での列車内プロレス事業は、大規模災害から全線復旧に向けて立ち上がろうとしている只見線を、倒れても倒れてもまた力強く立ち上がるプロレスという形で表現し応援する取組です。そして、これは「あきらめない地域」を応援する取組でもあります。


只見線の鉄道での全線復旧に関しては費用をはじめたくさんの問題がありました。また、復旧後も上下分離方式での復旧のあり方、沿線の過疎化と人口減少、自動車社会の中での鉄道の存在意義、など課題はたくさんあります。


しかし、問題はたくさんあっても、困難と思われていた只見線の全線復旧を沿線地域が「あきらめなかった」からこそ全線復旧が決まりました。只見線を「あきらめなかった」地域だからこそ、今後の課題に対しても「あきらめずに」取組んでいくことと思います。


只見線を、そして只見線を「あきらめない」地域を、倒れても倒れても立ち上がるのを「あきらめない」プロレスという形で応援するこの事業。ぜひ多くの方のご参加をお待ちしております。


(すべて事務局に頼りっぱなしで名ばかりの)只見線県境プロレス実行委員長 目黒公司

八ッ場ダムにて

只見線列車内プロレス

2011年に発生した新潟・福島豪雨で大きな被害を受けた只見線は、11年という歳月をを経て2022年に鉄道での全線復旧をしました。大規模な災害に見舞われながらも復旧に向けて進んでいる只見線は、倒れても倒れても立ち上がるプロレスラーを彷彿とさせます。困難な状況に陥ってもあきらめず立ち上がっていく沿線地域と只見線を応援しています。

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